「パートナーシップセミナー」開催レポート(第3回)

平成30年度パートナーシップセミナー

第3回『ふたりならきっと大丈夫!子育て中のクライシス 「小1の壁」克服法』開催レポート

平成30年11月17日(土)13時30分~16時00分

 

『最強のふたり』になるためのパートナーシップセミナー、最終回を飾ってくれたのは

人気ブロガーのkobeniさんです!

もともと、ワーキングマザーの間で慣習的に使われてきたワード「小1の壁」。

本来ならば、子供の小学校入学はめでたいことで、新しい環境に家族皆でワクワクする“楽しいこと”であるはず。にもかかわらず、目の前に立ちはだかる「小1の壁」!

共働きカップルにとっては、不安以外の何ものでもない“怖い存在”かもしれませんが、

ふたりなら、きっと大丈夫!

ここは是非、パートナーと協力して、「小1の壁」を乗り越えていってください。

 

―はじめにー

まずはkobeniさんの簡単な自己紹介。その後、すぐにグループでの自己紹介へ。

kobeniさんの「さぁどうぞ!」の掛け声に促され「こんにちは!」「はじめまして!」と

各グループから元気な声が聞こえてきました。

こういったセミナーでの自己紹介は、緊張と共に始まることが多いのですが、今回はスタートダッシュからすごいです!

セミナー開始10分もたたないうちに、あちらこちらから笑い声が聞こえたり、拍手が起こったり…、会場全体が活気に満ちていました。

自己紹介の中で、「小1の壁で何が一番不安か」ということをそれぞれ話してもらいました。

「先輩ママを見ているので特に大きな不安はありません」、「幼稚園(保育園)から小学校に上がった時に友達が変わってしまうのが心配」、「学童のお迎えの時間に間に合わないかも…」など

「小1の壁」に対する思いは様々なよう。

 

 

皆さんの緊張もほぐれにほぐれたところで、本日の本題に入っていきましょう!

 

―「小一の壁」って、なに?―

「小一の壁」…子供が小学校に入ることによって育児と仕事の両立が難しくなり、退職する母親が多いことから主にワーキングマザー界隈で慣用句として使われてきたワード。

社会問題化までしている「小1の壁」。

具体的には、どのような「壁」なのでしょうか?

大きく分類すると5つに分けることができます.

1. 時間


① 朝、8時前後まで家にいられるか
→保育園は、朝の7時台から預けられますが、小学校は、8時にならないと開門しません。また、1年生の頃は、昼までで授業が終わってしまうこともあります。

② 夕方18時に学童保育へお迎えに行けるか&その後の家事育児は?
→学童の多くが18時で閉まってしまいます。

③ 平日昼の、PTAの集まりや懇談会などに参加できるか
→学校にもよりますが、月1~2回くらいPTAの集まり、学期ごとに保護者懇談会があります。

④体調不良・振替休日などの「休み」に柔軟に対応できるか
※学級閉鎖のときはどうする?
→インフルエンザなどの学級閉鎖が起こった場合、我が子が罹患していなくても、学童に預けることが出来ません(感染を防ぐため)。
 
2. 学習面のフォロー

① 毎日の持ち物のフォロー・宿題のフォローができるか
→保育園の頃は持ち物があまりないかと思いますが、小学校では教科書、絵の具、体操着、給食の白衣等、家に一旦持ち帰ってまた持っていくものが多くなります。毎日の宿題(音読やドリルなど)も意外と量があるので、そのフォローも必要となってきます。

② 入学・通学に必要なモノの準備をどうやって行うか
水着やピアニカなど学校販売の教材は、平日午後に一日だけ発売ということもあります。そのほかランドセルをはじめ上履きや文房具など、入学前に準備するものは意外にあります。

3. 学童

① そもそも、学童に入れられそうな目途が立つか(待機児童)
→地域によっては学童の待機児童問題が発生しているところも。
ちなみに、民間の学童などもあります。
② 学校⇔学童⇔家を、子どもがひとりで通う場合のシミュレーション
→一年生のうちはお迎えに行く、安全なルートが確保できるエリアで学童を探す、早めの時間に帰らせる(特に冬)など、通学のシミュレーションをしておくと不安が軽減されると思います。

4. 長期休暇


① 居場所の確保。一般的には学童
② 夏休み期間中、学童の開所時間は学校より遅く、8時半など
③ 給食がない。毎日お弁当が必要
④ 学童で日中、何をさせるか考える必要がある
→学童にも本や遊具がありますが、夏休み用のドリルなどを準備しておくと良いです。

5. 子どもの(精神面の)成長

① 新しい環境に慣れるまでの精神的クライシスをどう乗り越えるか(特に最初の半年間)
② 登下校で友達とトラブルになる、学校で意地悪を言われる、逆にいじめてしまう等
→保育園時代はなかったトラブルも起きますが、どんな子どもでも成長過程で通過することでもあります。その場合は担任の先生に相談しましょう。
 学校と家庭の二人三脚で対応することが出来ます。
③ まだまだ「幼児」と「児童」の中間ぐらいなのが、1年生



それぞれの壁を乗り越えていかねばなりませんが、経験された先輩方はどのように感じられていたのでしょうか。

Twitterでアンケートをとったところ、先輩方が特に大変だと感じていたのは、

「2.学習面のフォロー」と「.子どもの(精神面の)成長」という結果が出ました。

 

ご意見としては、

●図工の材料 ・絵の具等の教材 ・イベントの衣装 ・水着 など…

日にち指定で持参しなければならないモノの連絡が、すべて“プリント”でのやり取りだった(メール配信だったら助かった…)

●小1の算数で、繰り上がり繰り下がりが理解できず、そのフォローが大変でした

●保育園では母親が働いていることが当たり前だったが、小学生になり「どうもお母さんが家にいる家があるみたいだぞ」と子供が気づいた。「早くお迎えに来て」「さみしい」と言われて親も傷ついた

と、いったことも…。

小学校では保育園時代にはなかった刺激を受けていくかと思いますが、

子供の成長を信じて“見守っていく”ことも大事なことかもしれません。

 

―夏休みまでの半年間を丁寧に過ごそう―

何が子供のストレスになるかはわかりません。

夏休みまでの半年間は、夫婦ですこし仕事をセーブし、子どもを見守る期間として設定。我が子の様子をよく観察して、何がストレスになっているか見極めると、その後の生活がスムーズにいくのではないかと思います。

 

―PTAは怖い?―

PTAは、「学校ごとに」運営されている団体であり、

上位組織から決めごとが降りているわけではありません。

加入に強制力はないものの、運営維持のために“加入が当たり前”となっている学校が多いのが実情です。

混同されがちなものに「係・委員」と「本部役員」がありますが、

本部役員でない限り、負担感はそれほどでもないようです。

PTAについて世間的に言われている大変なことといえば、

・慣習的に、平日昼間に会合が設定されがち

・同じく慣習的に、「母親のみが参加する閉じた世界」になりがち

・ボランティアでなく“半ば義務的”なので意欲が上がりにくい

・一年でメンバーが入れ替わるため改革が難しい

という点が挙げられます。

PTAは、実は学校によってかなり運営方針や実態が異なります。PTAをむやみに敵視したり怖がったりせず、実際に参加し活動してみてください。まずは、ご自身の目で確かめるのがよいと思います。

 

―自分たちなら、どう対処する?―

セミナーに来る前、漠然と不安を感じていた「小1の壁」問題。

その実体(5つの壁)が明らかになった今、改めてその壁1つひとつをどうやって乗り越えていくのかを考えることで先の生活が見えるように!そこで、セミナーのメインテーマ

近い将来直面するであろう「小1の壁」に夫婦でどのように対処していくのか?について

用意したワークシートを使いながら、今現在(-保育園児を抱えて)日々の課題にどのように対処しているか等思い起こしながら、カップルで話し合う時間を持ちました。その後グループ内で感想をシェア、各々代表の方に発表をしていただきました!

   

発表を聞いていると、「時間」の壁への不安が多かったようです。

「フレックスタイムあるいはリモートワーク等の制度利用を、会社へかけあってみる」、「今日聞いた話、アイデアを活用して、ちょっと自分が時間のやり繰りをしてみる」など、それぞれのカップルが熱心に解決の糸口を探りながら話し合った結果を受講者全員で共有できたこと、また決して長い時間ではありませんでしたが“ゆっくり”“ふたりで”話す時間を持つことができたことは、大変貴重な経験となったようです。

 

―不登校の話―

小学校入学は、子供の成長の大きな節目。子供がより広い社会へ踏み出す第一歩ともいえるでしょう。

とはいえ、すべての子供が「学校」という新しい世界へすんなりと馴染めるわけではありません。

「小学校に入ったら、娘が学校に行きたがらなくなった」というお母さんの話を例にとりながら、

「学校へ行けないから劣っている、ということではけしてない。一定数、現在の学校の運営方法が合わない子はいると思います。地域には、実は相談できる機関がたくさんあります。実際に不登校まで行かなくても、「行きたくなさそう」といったことを相談することもできるのです。そういった施設を事前に調べておくと安心です」という力強いエールをいただきました。

  

 ―質疑応答・感想―

質問1:子供の精神面のフォローで特に注意する点などアドバイスを頂きたい。

kobeni:保育園時代と違い、小学校に上がると「ルール」が増えるために、親や先生からも注意されることが増えてしまいます。そのことで子供たちは小さいなりに、結構心が傷ついたり疲れたりするもの。まとまった休みや夏休み期間には二人でお出かけをして、丸1日子供とゆっくり向き合う時間を作ってみると良いかもしれません。

質問2:公設の学童に入れなかった時のために、民間の学童も検討していますが、どういった違いがあるんでしょうか

kobeni:私自身も子どもは公設学童を利用しているため、あまり詳しくはわからないのですが、私の中では会社の勤務時間などの都合で、公設の学童を使いづらいという方が利用しているイメージです。公設のほうは昼寝の時間、遊ぶ時間とか時間枠をとってくれますが、「勉強させる!」という感じではないので、夏休みの期間などしっかり勉強させたいとかであれば、民間の学童や塾の活用なども検討してもいいと思います。

   

―参加者の声―

◆来年度まさに小1になるので、ドンピシャなテーマでとても参考になりました。色々な不安がありましたが

5つの壁に分けて考えただけでも気持ちが軽くなりました。

◆事前に心の準備ができて良かった。

◆同じことを考えている人が多く、安心できた。

◆漠然とした不安がありましたが論点を明確に整理できたので、(夫婦で参加した今日のセミナーだけでなく)家に帰ってからも、夫婦で話したり具体的な事柄について検討したりするネタになりそうです。

◆経験されたことをわかりやすく伝えていただいて漠然とした不安から解放され、具体的な課題がわかりました。

これから対策を考えられます。

◆「小1の壁」について夫婦で情報共有、意見交換をする良いきっかけとなりました。

(アンケートより一部抜粋)

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