パパの育児応援塾~実践編~ 第3回開催レポート

平成28年1118日(金曜日)18時30分〜20時40

当日の流れ
 
−オリエンテーション
 −青野慶久さんの講演 (サイボウズ株式会社 代表取締役社長


◆   第3回:「経営者から見た男性の育児参画」 講師:青野慶久
    
日本を代表するイクメン社長の登壇です!

 
 今回で3回目になる「パパの育児応援塾」。顔見知りも増え、受講するパパ達もリラックスした様子。開始早々からワークショップ(Good&New)を行いましたが、仲良くなったパパ達が「この2週間で良かったこと、新しいこと」をテーマに活発に話し合い、とても楽しそうな雰囲気でスタートしました。

 さて、いよいよ青野さんの登壇です。青野さんは、1997年にソフトウェア開発会社「サイボウズ株式会社」を設立後、2005年から代表取締役社長に就任。サイボウズ株式会社の目的は「世界一のグループウェア・メーカーになること」。青野さんは東証一部上場企業の社長でありながら、3児の父として3度の育児休暇と取得するなど、そのライフ・ワーク・バランスはいつも注目の的となっています。


 

 青野さんが先進的な社内のワークスタイル改革を進めたきっかけは、サイボウズの離職率の高さでした。2005年に28%だった離職率は、改革後2015年には4%に低減。逆に、売上高は倍増しました。
 
 どのような改革を行ったのか-。離職率を下げるために当初社員の給与を上げたもののうまくいかず、「100人いたら100人のニーズがあること」に気がついたとたん、改革が加速します。
 
 「働き方の多様化」へのチャレンジを推し進め、残業なし、時短勤務、週3日勤務といった働き方の選択、場所と時間を選べるウルトラワーク、最大6年間の育児休暇、副業の自由化等を次々と実施しました。結果として離職率4%、売上高倍増、そして出産で辞める社員はゼロ、育児休暇を1年以上取得する男性社員も現れました。
 
 これらの講演中、サイボウズ流の話しやすい空気が会場に漂っていたためか、関心が高まったパパ達からは多くの質問が飛び出しました。質問を後回しにすることなく、丁寧に答えていく青野さん。

 

 では、これらの改革をどのように進めていけばよいのか。青野さんは3つの要件として「制度」「ツール」「風土」を提示します。「制度」とは、在宅勤務や育児休暇、人事評価、給与等。これらは、すべて会社の目的のために必要なものです。「ツール」とは、情報共有クラウド、遠隔会議、リアルオフィス、BPM等。そして一番大切な「風土」とは価値観のことで、多様性重視、個性の尊重、公明正大、議論等。この3つをバランスよく進めていくことが大切です。

  「風土」の中でも公明正大が特に重要。トップが嘘をつかない、包み隠さない。トップがこれらを守らないと、風通しのよい会社にならない、建設的な議論ができない、社員が自立しない。

 次に、青野さんのプライベートの話では、自身の育児休暇、毎週水曜の育休日、16時の時短勤務等具体的な体験談について触れられ、さらに和やかな雰囲気になりました。そんな育児体験から、青野さんは「育児は市場創造」であると言います。この子達が将来の顧客であるから仕事より大切にしなければならない。「育児は人類最大の仕事」という言葉が印象的でした。
 青野さんの関西弁まじりの軽快な語りは、ぐいぐいとパパ達を引き込んでいきました。ビジネスの話と今直面している育児の話。多くのパパ達は、自分を取り巻く、この水と油とも言える課題の中で葛藤しています。そんな水と油を見事に融合させ、ビジネスも育児もWIN-WINになる事例と方法論を提示した「第3回パパの育児応援塾」でした。

アンケート(一部)


・サイボウズの先進的な人事制度の紹介、経営者から見た男性の育児参加に対する考えなど魅力的な話ばかりで、時間があっという間でした。

・熱い思いが伝わりました。人事担当ですが、何よりも思いが大事だなと思いました。

・サイボウズで多様な働き方が成立しているのがどうしてなのか、綺麗なところだけでなく、本音の話をお伺いできて、非常に参考になりました。

・文京区長とのエピソードを面白おかしく紹介されていましたが、その出会いを機に働き方のほか諸々変わっていけたことが印象に残りました。
また、「何のための制度」であるかに拘っている点が印象的でした。

・企業風土の変革に公明正大であること、自立と議論が必須であるという講義内容が印象に残りました。子育てに応用できるのではないかという印象を受けました。


 
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