パパの育児応援塾~実践編~ 第4回開催レポート

 平成28年12月3日(土曜日) 13時30分〜15時40分

◆   第4回「子供が憧れる理想の夫婦になるために」 講師:林田香織

 「パパの育児応援塾〜
実践編」の第4回目が、12月3日に開催されました。

 初の夫婦参加型講座として、半数以上のパパがママと一緒に受講しました。グループファシリテーター等を務めるファザーリング・ジャパンの会員も加わり、語り合いました。

 今回は、「Good&New(直近の良かったことや新しいこと・新鮮に思えたことを仲間とシェアするというもの)」の「他己」バージョンを行いました。「他人を紹介する」という少し変わった視点から話すため多少戸惑いもありつつ、初参加のママたちと打ち解けていました。

 続いて、本日の講師である林田香織さんが登壇されました。林田さんはロジカル・ペアレンティングLLP代表でありまがら、現役女子大学院生でもあります。お茶の水女子大学にて男性の育休取得研究プロジェクトチームに所属し研究に励んでいるそうです。九州男児の夫と三人の男の子を持つ林田さん。もうそれだけでパワフルなのに、夫の仕事関係でアメリカにも住んだことがあるそうです。

 本日のテーマは「子供が憧れる理想の夫婦になるために」。
 子供が憧れるとは?それぞれの夫婦の理想像とは?スクリーンに映し出された衝撃的な一言から始まりました。

 「幸せだけど、愛してない??」



 
 
 まず、夫婦の結婚生活、情緒関係を表すグラフが示されました。子供が生まれる前は70%を越えていた「幸せだと思う、配偶者を愛している」グラフが、子供が2歳になるとなんと50%台になってしまいます。

 これらの要因は何なのか。

 日本人の一日当たりの家事労働時間は男性平均62分、女性平均300分という驚きの数字。女性は男性の約5倍です。世界に目を向けると、この格差が一番少ないのがノルウェーでした。ノルウェーでは、パートタイムという働き方がなく、みんな正規雇用されており、スライド式に転職が可能との事。

 『Living Dead(夫婦関係がフリーズし、ゾンビ化する)』にならないためには…?

 夫婦関係的役割に、「経済的サポート」、「機能的サポート(家事・育児)」、「コミュニケーション(情報伝達機能、課題解決機能)」、「情緒的サポート」、「性役割」があります。
 時間的にキャパシティをオーバーすることにより精神的にもキャパシティオーバーし、夫婦関係がフリーズしてしまうそうです。

 では、円満である夫婦とそうでない夫婦(不満夫婦)の差は何か。円満夫婦は、そうでない夫婦に比べて夫の家事育児時間が多少は長いのですが、夫婦の会話時間は3倍も長く、その差は歴然です。

 つまり大切なのは、「夫婦の両方が納得している」または「納得できるように努力している」かどうか、ということです。これには、多くの方が頷いていました。





 
 次に、グループに分かれ、「我が家の家庭内ケアバランス分析」を行いました。現状と希望、二つのシートを用意しそれぞれ夫、妻、子供から家事、仕事に向かって矢印を書き込み、その矢印の太さや本数でその度合いを表現しました。さらに、とり巻くサポーターとして、祖父母、保育園、ファミリーサポート、家事代行を追記しました。

 夫婦別々に描くので、認識のズレが発覚することも。記入後は夫婦で見せ合い、「いやいやいや、ここの矢印はこんなに太くないでしょ」など、ママからパパへの突っ込みも聞かれました。違ってしまうのは当たり前、相手がどう考えているのかを知ることが大事です。
 そして、グループ内で自分の考えを話します。理想シートを指さしながら説明している時は、皆さん期待を込めて目がキラキラしていました。
 
 現実から理想に近づけるためにはどうしたらいいか。林田さんから、ママのニーズは就労形態によって傾向が異なるとのアドバイスがありました。

★専業ママは、まずは共感。家事より育児、子供と遊んでほしい、と考える傾向が。
★パートママは、共感&家事。週末は特に頑張って欲しい、家事も育児もできれば一緒に、と考える傾向が。
★フルタイムママは、家事も育児も量が大事。量的公平感が重要で、平日の家事も求める傾向が。しかも、「子供と遊ぶ」はカウントされません・・・。
 
 育児が先か?家事が先か?質より量か?同じ「家事育児参加」でも、ママの働き方によって求める内容がこんなにも違うのですね。
 
 次は子供の「自己肯定感」です。子供が自分に自信をもって、自分が役に立つと感じられるかどうか。家事を家族全員で行う事によって自己肯定感はアップしていきます。林田さんの場合は、洗濯は子供達がやるそうです。次男は料理が得意とか。小さい頃からできる家事を分担し始めることが大事ですね。

 最後に「子供達が憧れる笑顔の夫婦6か条」を説明していただき、楽しく閉会となりました。


<子供達が憧れる笑顔の夫婦6か条~大切な人とあなたが笑顔でいるための6つの心がけ~>

☆恋人でいよう!相手に関心と興味を持つ。デート、スキンシップ等二人の時間と空間を大切にする。

☆個人でいよう!夫婦も他人。「違い」を楽しむ。お互いに一人の時間を持てるような配慮を。

☆親友でいよう!お互いを認め合い、いいライバルとして高め合う。業務連絡だけではなく、雑談も。

☆戦友でいよう!人生のチャレンジを乗り越える。フォローし合う。無理なら外部にヘルプ要請。

☆味方でいよう!相手が大変な時にサポートする。否定したり、評価したりせずに、まずは話を聴く。

☆相方でいよう!一緒に笑う!相手が笑顔かどうか確認する。二人の笑顔で子供達を笑顔にする。

アンケート感想(一部)


 ・ 夫に聞いてほしい話がたくさんあり、大変満足度の高い講演でした。(女性)

 ・家庭を取り巻く社会環境も夫婦関係(家事分担)に影響があることを知ることができて良かった。(女性)

 ・楽しいお話でした。良く理解でき、考えることができました。(男性)

 ・二人だけで抱え込まずに、「チーム」でやらないといけないと改めて感じた。(男性)

 ・面白い話をありがとうございました。お互いに思っていることの違いが分かり良かったです。(男性)


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