2月27日(土)、「笑顔で働き続けたいママへの応援プログラム」の第4回は、本プログラム受講者36名と、受講者が招待した16名が集い、交流会形式で実施しました。この日は、4回の連続プログラムの最終回ということで、第1回から第3回まで登壇した講師の方々を招いて、これまで学んだことを振り返りつつ、集大成を形づくる場となりました。働くママを応援するパパや、働く女性として同じ想いを抱く招待者たちが加わり、とても賑やかな会になりました。 ~ゲーム形式の自己紹介タイム~ 初めて参加する招待者のため、まず最初に、全員でゲーム形式の自己紹介を行いました。近くにいる6名の人から、名前と子供の年齢を聞いて、専用シートを埋めていくという流れです。それぞれ「初めまして」の次に、いきなり「お子さまの年齢は?」と聞いて回るミッションに、始めは戸惑う人もいましたが、慣れてくると次の人を探してかけ寄る姿も見られました。終盤になると、パパたちも積極的に会話をし、とても盛り上がりをみせました。 ~振り返りトークセッション~ 第1回 白河桃子氏、第2回 田中俊之氏、第3回 水無田気流氏 と一緒に、それぞれの講演内容のポイントとワークショップの際の参加者の声を振り返りながら、意見をいただきました。 -第1回振り返り「ママの働き方について」- (第1回目の内容については、こちらをご覧ください。) ●第1回で、「パパは死んだものと思っている」との発言が、図らずも多くの賛同を得てしまったことに対して 田中氏 -パパにはよみがえってもらいたいですよね。 水無田氏 -パパは死んだものと思い、すべてをママが抱え込むことは、老後を考えた時にすごく危険です。死んだものと思っていた夫に、殺されることもあるんです。実際に、少し前に老老介護だった夫が寝たきりの妻を殺害するという事件が起こったくらいです。子供が産まれたら、まずはパートナーで話し合いを持つことが大切です。子供が家族の中心ではなく、夫婦が基本なので、子供が小さいうちに夫婦の信頼関係を築く時間を持つべきです。 白河氏 -女子学生にいくら活躍をしろと言っても、その気になれないのは、自分自身のお父さんが子育てや家事をしていないことが要因となっているようです。自分が家事も育児もすべて請け負うとなると、仕事と両立できるのか疑問を持ってしまうようです。これからは共稼ぎだけではなく、共に子育てをしていかなくてはいけない。次世代のためには、パパによみがえってもらいたい。 水無田氏 -完全に共働きでやっていくためには、男性が簡単に使える育児グッズを開発していく必要があります。そこは、ある意味ビジネスチャンスですよね。 -第2回振り返り「周囲との協力体制について」- (第2回目の内容については、こちらをご覧ください。) ●男性と女性の行動や、コミュニケーション手法の違いを理解した上で、協力をどう仰ぐのかを考えようとの示唆に対して 田中氏 -男性は、子供が生まれた後にも、夫婦の時間をもつ努力をした方が良いですよね。例えば、子供が生まれた後に新聞を読むのではなく、奥さんと会話をすることは大切だと思います。 水無田氏 -男のロマンは孤高ですが、女の幸せは家族と愛情に溢れるイメージがあり、一人では完結できないのが問題。この美意識を捨てることは一番大変なのではないでしょうか。完全に捨て去ることができないので、今の時代で生きづらいのかもしれません。そして、男性の働き方を変えなければ、女性の時間をあてにし続ける社会構造は変わらないです。 白河氏 -子供を産んだ後って、ガクッと就労率が落ちてしまいますよね。 水無田氏 -子供がいるだけで、女性の平均年収は下がってしまいます。昇進昇給ができないということを意味しています。出生率が回復している国はどこでもそうなのですが、女性が働きやすい環境だと回復傾向にあります。 -第3回振り返り「子供の将来からイマを考える」- (第3回目の内容については、こちらをご覧ください。) 水無田氏 -日本の女性はもう十分に活躍しているので、きちんと評価をしていく必要がありますよね。 白河氏 -今の日本では、男性も女性も両方辛いんですよね。女性自身、「出産や育児を迎えると、私は辞めないといけないのではないか」という不安があるので、パパに稼ぎを期待している傾向があるのではないでしょうか。女性が働いたり、働かなくなったりという選択肢が認められるのであれば、男性もそうでなくてはいけないと思います。 田中氏 -日本の男性って、長時間労働が期待されているんですよね。定時で帰ると甘えだと見なされるのはおかしいですよね。今のままで女性活躍を推進してしまうと、(女性が家事・育児・仕事をすべてこなすことになるので)“女性超人化計画”になってしまうという水無田さんの指摘もありましたが、男性の就労環境を見直さずして育児や家事をお願いするとなると、男性も超人化計画になってしまうと思います。大事なことは、子供を夫婦で育てることにどれだけ価値を置けるかだと思います。子供が生まれてから濃密に接することで愛着が湧いてくる。男性が仕事以外に価値を見出すことをしてほしいです。 白河氏 -魅力的な家庭人としての男性の価値は絶対に必要だと思います。今の時代、男性はこれ以上稼げないので、その分、魅力的な家庭人になることも良いのではないでしょうか。そういう男性像も素敵ですよね。 水無田氏 -生活の満足度を上げるためには、男性も女性もつながりを持つことが大切ですよね。夫婦の会話が長くなればなるほど、生活満足度も上がるという統計が出ているほどです。 ~「わたしの宣言」発表~ 受講者から、これからの“わたし”の働き方・育て方を「わたしの宣言」というカタチで事前に提出してもらい、この日、スライドで発表しました。 <わたしの宣言(一部抜粋)>
宣言からは、完璧を目指すのではなく、もっと肩の荷をおろして、自分自身を認めることから未来を見据えようという決意が多く見られました。 そして、男性視点で田中氏から、管理職視点で東京都生活文化局 男女平等参画担当部長の斎田ゆう子氏から、次のような感想をいただきました。 田中氏 -皆さん、真剣に考えていらっしゃいますよね。男性って茶化したりしちゃうので、真面目な話は真面目に受け止めて欲しいですよね。受け止めた上で、真面目な答えを出してほしい。仕事だけ一生懸命で、家庭のことを考えていない人がいるので、妻から真剣にぶつけられたときに答えられないのかもしれないですね。プライベートを疎かにするということは、自分がどう生きたいのか分からないということなので、妻から相談された時はちゃんと一緒に考えていただきたいです。 斎田部長 -ここに集まっている皆さんのエネルギーと、前向きな言葉が素晴らしいと思いました。私自身も子育てを経験しているのですが、子供がちょうど皆さんのお子さんと同じくらいの時は、記憶が無いくらい目まぐるしい日々を送っていました。皆さんが、そんな時期に、笑顔で来てくれたということだけで、本当に素晴らしいことと心から思います。20年先、子供は頑張ったお母さんをきっとリスペクトしてくれます。それは、会社から評価されるよりも、すごく嬉しいことです。20年後、大きい金メダルをもらえることを楽しみにして、どうか今をがんばってください。 ~「働くママ憲章」づくり & 懇親会~ 第1回から第3回で出た参加者からの貴重な声を、「働くママ憲章」という形にしようと、当日ミニワークを実施しました。講師たちも交えて懇親会をしつつ、憲章に盛り込みたい要素を全員で考えました。 そして、完成した憲章がこちらです(画像をクリックすると拡大できます。)。 参加いただいたみなさまから、嬉しい感想をたくさんいただきました!
<本プログラム受講者の感想(一部抜粋)>
<招待者からの感想(一部抜粋)>
このプログラムを通して、日本に生まれ育ったことで自然と抱いている「女性としての当たり前」や「男性に期待してしまう当たり前」を、一つずつ見つめ直すきっかけになった方が多いようです。 今回、このように同じ悩みを抱える仲間と出会ったことで、未来に向けた行動に移していく“働くママ”が増えることを期待するばかりです。
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