起業女子全力応援交流会              土日クラス第1回開催報告

 平成28年2月7日(日) 13:00~15:00
  当日の流れ
   -スイッチオンワークショップ
   -ゲストトーク
   -ユニークさ深掘りワークショップ
   -クラスの交流会

 起業女子全力応援交流会土日クラス初回、24名全員が開始前に着席し、このセミナーへの期待感を感じました。若干緊張感のある空気が張り詰める中、ファシリテーター和泉里佳さんの軽やかなトークが場を和ませます。

 土日クラスは、複数の仕事、週末の起業~柔軟な働き方を探求しようというクラス。初回のテーマは「多様な働き方」です。
 ゲストにお迎えしたのは、「みらいfactory」のやつづかえりさんと、「MOMOE」の稲垣晴代さんです。

 まずは、参加者全員でスイッチオンワークショップ。
 2人1組でお互いを紹介しあった後、全員に向かって自己紹介。今どんなことをしていて、何に興味を持っているのか、将来どんなことがしたいのか、このセミナーに来た背景等を順番に語ります。短い時間ながら、これまでのキャリアと今の自分、そして未来への思いを熱く、丁寧に伝える様子が印象的でした。

    

 次はゲストトーク。ゲストのお二人から、これまでの経緯やキャリア、それに伴う気持ちの変化、そして現在のビジネスのきっかけや内容についてお話していただきました。

               

 やつづかさんは、コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、2010年にフリーランスとして独立。「教育と働き方のICT活用アドバイザー」という肩書で教育の中でのIT活用をサポートする傍ら、2013年より、組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介するWebマガジン『My Desk and Team』を運営しています。「人に会いに行ってインタビューし、それを記事にする」、この仕事がきっかけになり、ライティングの仕事も増えているそうです。

               

 やつづかさんは、語ります。
− 新卒で入社したコクヨで、仕事を通じてWebに興味を持つようになり、それがきっかけでベネッセコーポレーションに転職しました。その後、会社員をしながらデジタルハリウッド大学院(社会人大学院)で学んだことが大きな転機になりました。そこで出会った人たちの中には、フリーランスや小さな会社の経営者といったスタイルで仕事をしている人も多く、彼らの働き方は私がフリーランスとして始動するのに大きな刺激になったと思います。 −

               

 稲垣さんは、語ります。
− 今でこそ「MOMOE」というケータリングサービスを展開しているものの、初めは友達から「一緒に東京に行かない?」と誘われたのがきっかけでした。せっかく上京するなら何か目的を、ということで調理師学校に入学。学校卒業後はフレンチのレストランに就職しましたが、驚くほどの男性社会で、考え方の違いを感じて転職を決意。カフェへ面接に行き、「あなたにとって料理とは?」と聞かれ「生きがいです!」と答えて、採用が決まりました。後に、料理長そして店長を任せてもらう中で、「自分としては、やり切った!」と思えたこともあり、次のステージを探していました。その後、友達から「イベントを開催するので、料理を出してみない?」と声をかけられたのが「MOMOE」の誕生に繋がりました。 −

 「流れに乗ってみた」と少し恥ずかしそうに、でもとてもいい笑顔で話される稲垣さん。3年程そんなスタイルでケータリングを続けますが、出産して母になり、オーガニックの食材にこだわったものを作っていこうと“方針”を固めることになります。

 また、“食べるだけではなく、自分で作ってみる料理の楽しさに気づいて欲しい!”との思いから、昨年、料理本を出版。今後はケータリングだけでなく、レシピに載せている調味料なども一緒に販売できるようにしたい、焼き菓子など少し日持ちの良い物も作っていきたいと展望を話されていました。

 お二人からじっくりお話を伺った後は、ファシリテーターの和泉里佳さんとのセッションという形でトークが展開されました。

               

 まず最初は、「人生いろいろ。働き方はどう変化する?」というテーマ。
 稲垣さんは「つまらないなとか、今の生活に合ってないなと思ったら、生き方ではなく仕事や働き方を変えている」と話されていました。子どもの成長に合わせて、仕事をする時間を長くしたり短くしたりするのも、その一環だそうです。

 やつづかさんは「会社員からフリーランスになって働き方ががらりと変わったものの、会社員を辞めなくても、もう少しどうにかできたかも」との思いが原動力となって、組織人の働き方を紹介するWebサイトをスタートしたそうです。例えば子連れ出勤。実際に導入している企業に取材に行くと、抱っこして授乳しながらPCを触る人たちの姿がありました。「このインパクトはすごかったです。」とやつづかさん。

 そして次のテーマは、「転機。そのときどう動く?」
 やつづかさんは、「会社員時代、社内の仕事には何でもトライできても、社外の仕事は、本業とのバランスが取れなくなることを恐れてなかなか手が出せなかった。それが、フリーランスになったことで何でもチャレンジできるようになった。」とのこと。

 稲垣さんは、「自分は“とりあえず動いてみよう”というタイプ。おもしろい仕事は引き受けるというスタンス。おもしろいと思った直感を大事にしたい。動いてから考える。やりながら学ぶ。自分で何とかしようともがくことが学びになり、成長につながる。」と力強く話されていました。

 「恐れはない?」という問いに対して、稲垣さんは「おもしろそうだなと思ったときは、恐れはまったくないです。後になって、すごいことをやってたかもと思うことはあります。自分の成長も楽しんでいるんだと思います。」と、楽しそうに話されました。

 やつづかさんは、「失敗したら収入がなくなるかもとは思うが、結婚した今は、パートナーがいるから何とかなるという気持ちの方が強いです。会社を辞めるときも、なぜか何とかなると思っていました。何とかしている人たちをたくさん見ていたからかな。」と優しい笑顔で本音を語ってくださいました。人との出会いって大切ですね。

 そして次のテーマは「自分で仕事をつくるスタイル。起業してよかったことは?」
 稲垣さんは、「今日、仕事行きたくないな~、と思うことはないです。」と断言。仕事が楽しみでしかたないそうです。
 やつづかさんも、「嫌なこともありますが、それでも人を恨んだり人のせいにしたりする思考にはならないですね。すべて自分次第ですよ。」と話します。

               

 最後の質疑応答では、「起業して悪かったこと、困ったことは?」「起業には勇気と自信が必要だと思うが、それのもとになっているものは?」「収入が安定するまでどれくらいかかった?」「何かに行き詰った際の解決策は?」など、積極的に質問が飛び交いました。どの質問にも丁寧に真摯に向き合ってくださったお二人。まったく違うお仕事をされているお二人ですが、共通していたのは、家族との生活、暮らしのベースを大切にしつつ、ご自身の働き方をその都度、臨機応変に変えたり作ったりしてきたこと。そして、その無理のなさ、いい感じに力が抜けているところが、とても魅力的なお二人でした。心のひだに触れる話をたくさん聞くことができました。

 そして後半は「ユニークさ深掘りワークショップ」。
 席を移動し、4人ずつグループを作ってワークを進めます。今回のワークショップはキャリアと強みの棚卸しを趣旨としたもので、自分のユニークさと向き合い、深掘りするのが目的。参加者は付箋紙に、自分の特徴や経歴、スキルや志向など、限られた時間の中で考えつくままに、どんどん書き留めていきます。自分にとってはごく普通、当たり前なことも含めて洗い出し、自分に関するキーワードを1枚の画用紙に並べていきました。

    

 でき上がった「自分の俯瞰図」を1人ずつグループ内に発表し、メンバーから感想や印象をフィードバックしてもらいます。自分を客観的に見つめ、自分では気づきにくい新たな視点を得られるワークとなりました。

 最後に、ゲストのお二人に「あなたにとって働くとは?」の問いを投げかけ、まとめの時間。
 やつづかさんは「ひとつは生活のため。そして自分ができることで誰かの役に立つこと」。
 稲垣さんは「人の役に立つこと。傍(はた)を楽(らく)にすること」。
 お二人からは「まずやってみること」というシンプルでありながら、とても大事なメッセージもいただきました。“続けるかどうかはやってみてから考えればいい、やってみて初めて見えることがある”と。

 参加者の皆さんからは、「いろんな働き方があると知り、挑戦してみたいと思った」「積み上げてきたことが結果的に強みや自信に繋がると思ったら、勇気が湧いた」「とにかくやってみようと思った」といった、とても前向きで肯定的な感想を多くいただきました。

 その後はクラスの交流会。食の知恵を広げることを目的として、フードコーディネーターであり、薬膳師として活躍している荒井直子さんにハーブと薬膳のお茶を、パティシエの田中成美さんに季節の柑橘やハーブを使ったお菓子をご用意いただき、参加者の会話も弾んでいました。

    

 土日クラスの第2回は2月13日。次回は「自由な働き方:暮らし☓仕事」をテーマにゲストトークとワークショップを行います。

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